あらゆる問題は解決できる


 結果には原因がある、ということが理解できると、あらゆる問題は解決することができる、ということが分かる。

 もちろん、すべての問題がすぐに解決できるわけじゃない。必要な素材が足りないこともあれば、解決するためには途方もない時間がかかることもある。

 たとえば、1+1=?という問題は一瞬で解けても、地球上のすべての人が平和で幸福に暮らせるためにはという問題を解くためには数千数万年の歳月を必要とするだろう。

 でも、あらゆる問題は、学ぶことを通して知識を身につけ、その知識を組み合わせることで解決できるのだ。

 その時に必要なのは、解決できない問題を前にしても、諦めたり思考停止に陥ったりせずに「なぜだ?」と問い続ける力だ。それは問題を解決するために欠かすことのできない力であり、思考力とはコインの裏と表のような関係にある。

 再び料理の例を持ち出せば、思考力とは、手持ちの素材を組み合わせて料理を作る力だ。一方、問題解決力とは、うまく料理ができない時に、なぜうまくいかないのかを考える力だ。

 作ろうとしているメニューがあるにもかかわらず、それがうまく作れない。その時に「なぜだ?」と考えて、素材が間違っているのか、調理の仕方が間違っているのか、それを考えて試行錯誤を重ねなければならない。

 最終的に望み通りの料理を作れるかどうかは、どれだけ料理を作った経験があるかによって左右される。当然、料理を作ったことがあればあるほど、ある料理がうまく作れなかった時に、その原因を探る力は高まっていく。

 そのような試行錯誤の経験から導き出された「解決策」を載せたものは、料理でいうところの「レシピブック」にあたるだろう。料理の経験の少ない人でも、先人たちの試行錯誤の証であるレシピブックを読むことで、どのように料理をすればいいのかを知ることができるし、問題が起きた時の対処法を学ぶこともできる。

 その手順の通りに料理をするためには、いくらかの練習が必要なこともあるだろう。自分なりにアレンジする必要もあるだろう。そうだとしても、何も知らないところからはじめるよりはずっといい。無駄な失敗を繰り返して、料理する気を失わせることをレシピブックは防いでくれる。

 レシピブックの存在は料理に限らない。

 たとえば、数学のある問題が分からない時、その解決策を載せた「参考書」はレシピブックだといえる。その問題が分からなかった原因を理解して覚えれば、同じような問題が出題された時には解けるようになる。あるいは、志望校に合格するための方法が分からなければ、勉強法の本や、合格体験記といったものがレシピピブックになるだろう。

 レシピブックの影にはたくさんの失敗があるけれど、それらを読むことで、僕らは同じ失敗をせずに適切な料理法を学ぶことができる。それは、目の前にある自分が解決すべき問題のヒントを与えてくれる。