⑪自分あてに「週報告」を送る


 道伴舎では、指導のはじまる数時間前までに、塾生から「週報告」というメールを送ってもらっている。そこには、今週どんな勉強をしてきたのか、現在の反省点や問題点は何か、今後どのように改善していけばいいか、ということが書いてある。指導スタッフはそれを事前に熟読して、どのような指導をするのかを考えた上で、実際の指導に臨む。

 週報告における最悪のケースは、塾生が嘘をついたり水増しされた内容を盛り込んで送ってくることだ。これは先の「仕方ない」という心構えとは対極にある。

 もし、ほんとうに自分が成長しようと決意していたら、そんなことは絶対にしない。だって、そんなことをしても何も生まれない。だから、嘘や水増しされた内容を送ってくるということは、塾生が弱さに負け、逃げている証拠だ。

 こういうケースは非常に稀だし、もし起こってもすぐに分かるので、それを材料に「なんで嘘や水増しの報告がダメなのか」を考えることになる。そうやって、逃げる自分と向き合い、弱さを乗り越え、問題の解決へと向かう。

 でも、一人で勉強していると、無意識のうちに問題から逃げ続けてしまうこともできる。その場合、当の問題は放置されたまま、ずっと残り続けることになる。

 そうしないためには、自分の状況を正確に把握する機会を作ることが大切だ。つまり、自分あての週報告を書いておくのだ。放っておくと逃げてしまうのだとすれば、一冊のノートを作って、そこに日々の学習の内容や状況、問題点などを考えて書きだす。一日に数分でもいいから、そのように一人で考え、自分と向き合う時間を作る。

 そして、週に一度はそのノートを見返す。そうすれば、自分がどのような問題を抱えていて、どのように乗り越えてきたのかがわかるし、まだ解決されていない問題があれば、どうすればいいのかを考えられる。

 そこに書かれた記録を、あたかも他人が書いたかのように考えて、どのような問題点があるのかを考える。と同時に、自分の成長を見つけたら、それを正しくほめること。

 受験生は、一人にしておくと基本的に自己否定の方向に走る。でも、自己否定するほどダメなことばかりしているわけじゃない。むしろ、ダメならダメなりに精一杯やっていることの方が多いと思う。

 だから、結果は自分の思い通りではないとしても、その時々で自分なりに頑張ったことは、きちんと自分をほめてやる。そうやって自分の努力を正しく受け止めることで、自分の弱さと向き合うことができるし、乗り越えるためのヒントも得られる。

 自分あての週報告をしばらく書き続けた後に、数カ月分の週報告をまとめて振り返れば、どれだけ自分が努力して前に進んできたのかを実感できるはずだ。積み重ねた記録は、受験本番の前日に見返した時にも支えになるだろう。