⑦勉強より休憩を大事にする


 大半の受験生は勉強に没頭している時間よりも、没頭していない時間の方が長い。

 睡眠時間が六時間だとすれば、最大で一日十八時間勉強できる。でも、そのうちのたとえ半分にあたる九時間でも没頭して学べている、という受験生は多くない。それくらいコンスタントにできていれば、たいていの受験生は目標をクリアできるはずだろう。

 にもかかわらず、受験生は勉強する時間をどう過ごすかばかり考えて、それ以外の時間の使い方は意識していない。そのせいで没頭すべき時にできていないとも知らずに。

 一日の中で、没頭している時間よりもそうでない時間の方が長い。だとすれば、没頭していない時間をどう過ごすかを考えることは、没頭する時間について考えるのと同じくらい大切だ。

 だから、受験生は勉強時間の過ごし方だけでなく、二十四時間の生活全体をデザインすることが欠かせない。その中でもとりわけ重要なのは、休憩について考えることだ。

 どんな楽しいゲームでもふっと没頭が途切れる瞬間があるように、人間が没頭し続けられる時間には限界がある。それは、それまでの経験による個人差が大きい。だから没頭の経験が少ない人は、勉強を通じてそれを鍛える、という意識を持つことが大切だ。

 具体的に言えば、自分のレベルに適切な教材を選んでいれば、勉強に慣れていない頃でも50分から60分ほど、慣れてくると90分くらいは没頭していられる。

 集中がすこし途切れたくらいなら「やる気は、やらないと起こらない」と言い聞かせれば、再び没頭することができる。でも、60分〜90分くらい続けて没頭した後では、そう言い聞かせても、頭がオーバーヒートしたような感じになってうまく働かなくなる。

 それは、体が発する「休憩しよう」というシグナルだ。