十年間、学び続けて得たもの


 高校をやめてから十年がたった今、僕は学ぶことが好きだ。そして、学ぶことを心から楽しんでいる。どれくらい好きかといえば、明日から学ぶことを禁止されたら発狂して死んでしまいそうなくらい好きだ。

 それほど僕にとって学ぶことは大切で、自然なことになった。でも、誰にも負けない勉強嫌いだった当時の僕が今の僕を見たら、とても同じ人間とは信じられないだろう。

 でも、高校をやめてからの十年間、僕は僕なりにずっと学び続けてきた。ゼロからの受験勉強もけっこう頑張った。入学した大学の授業へはほとんど行かなかったけれど、それでも一人で本を読み、ネットを使い、出会った人からは多くのことを学んだ。

 興味のあった文学や哲学といったものは、休むことなく学び続けてきた。自分の塾を立ちあげてからは経営や教育について学ぶようにもなった。そして、これからも僕は興味の赴くままに学び続け、学んだことを活かしながら生きていくだろう。いま書いているこの文章だって、僕のこれまでの学びの成果として綴られている。

 学び続けることによって、僕は変わり続けた。十年の時が経った今、別人といってもいいほどの変化を遂げた。その変化を喜ばしく思う気持ちが、僕をさらなる学びへと駆り立てる。そのすべては、勉強が嫌いなことからはじまっていた。

 学校の勉強なんか、嫌いでいいんだ。嫌いで当たり前だ。勉強しろと言われて、「はいそうですか」なんて言える従順な子どもでなくていい。そのせいで、なかなか勉強へのやる気が起きなくたっていい。やろうとしても、すぐ挫折してしまう弱い自分だっていい。僕だって全部そうだった。そのせいで、それなりに苦しんだ。でも、苦しみながらも、ちゃんともがき続けたからこそ、その先の世界に踏み出せた。もがいていなければ、きっと、何も考えない大人になっていた。

 だから。

 たとえ人からバカにされていても、本当のバカにはなりたくないと心の底で思っている人。なんか世の中おかしいけれど、そのおかしさを口にできなくて悔しい思いをしている人。必死でもがいても前に進んでいる気がしなくて、諦めかけそうになっている人。

 この本は、そうした昔の僕のような人に届くといいなと思って書いている。