④ゲームバランスを調整する


 僕の経験的に言えば、そうした高い集中力を発揮できるかどうかは、より没頭できるゲームを作り出せるか否か、という問題と同じであるように思える。それを、ゲームバランスを調整する、と言い換えてもいいかもしれない。

 市販のゲームになぜあれほど僕らが集中できるかといえば、プレイヤーにとって適度な難易度になるように調整されているからだ。もしそのゲームが、まったく次に進めないほど難しく作られていたら、ほとんどのプレイヤーはすぐに飽きてしまうだろう。つまり、プレイヤーが没頭してしまうように作られたゲームが「いいゲーム」なのだ。

 でも、現実の学習においては「いいゲーム」をしている人は少なくて、大部分の人は「極端に難しいゲーム」をやっている。いくら「間違えることを喜ぶ」と言っても、あまりにそれが難しければ、前に進めないし、おもしろく感じられなくなってしまう。

 だから、受験生についていえば、勉強をゲーム化して、そのゲームバランスを調整する力は、学力の伸び方を決める重要な要素だと言ってもいい。自分にとって適切に調整することができれば、受験はゲームのように楽しく、集中できるものに変わる。

 これは受験にかぎらず、仕事をはじめ、さまざまなことに応用できる考え方だと思う。でも、分かりやすくするために、このまま受験を例に話を進めよう。

 受験におけるゲームバランスとは何か。

 ゲームでいえば最終ボスにあたるのが志望校だ。それを「目標」と言い換えることもできる。クリアすべきボス、到達すべき目標を決めることからゲーム化ははじまる。今すぐ決めることができなければ、とりあえずの目標でもいい。

 こうした長期の目標は「それなりに頑張ればクリアできる」と信じられるくらいの難易度にしておくのが大切だ。十パーセントくらいだと「無理かな」という気持ちが先に来てしまうし、百パーセントだとゲームとしてはおもしろくない。

 クリアできるかどうかが五分五分くらいの可能性のゲームが、いちばん僕らのゲームのドキドキ感を高めて、おもしろく感じさせてくれる。