「学びたい」と「大学に受かりたい」の違い


 「学びたい」という気持ちは、「大学に受かりたい」という気持ちとは違う。むしろ、それは「大学に受かりたい」という気持ちの対極にあるものかもしれない。

 これは、大事なところだ。

 「大学に受かりたい」と思っている人の中には、本音を言えば、できるだけ勉強をしないで受かりたい、と考えている人が少なくない。というか、現実には大部分の受験生はそうだと思う。

 一方で、「学びたい」という気持ちを本当に持っている人は、目の前にある勉強を通して自分が成長することに喜びを感じている。受験結果を求めるだけではなく、いま学んでいることが自分の未来を形作っていくのだと信じている。

 「学びたい」という自然な気持ちがあれば、やり方さえ間違わなければ、着実に実力がついてくる。だからこそ、その過程を楽しむこともできる。すると、結果として実力がついてくる。成長を実感することによって、ますます勉強が楽しくなり、「学びたい」という気持ちは強められていく。

 このようなサイクルで勉強できている受験生は、表情を見るだけで一瞬で分かる。毎週の指導でも楽しそうな顔をしているからだ。受験勉強は当然ながら大変だけれども、その大変さを引き受けることに充実感を見出している。

 「学びたい」という気持ちを持っている受験生は、できるだけ勉強せず結果だけほしいと考えている受験生に比べて、さほど結果のことを気にする素振りをみせない。もちろん、結果を気にしないわけじゃない。誰だって、志望校には受かりたい。でも、彼らは志望校に受かることを目指すと同時に、日々学ぶことそれ自体にも喜びを感じている。

 その結果、がむしゃらに結果だけを求めている人よりも、ずっと成績が伸びる。それも、けっこう楽しそうに勉強しながら。だからこそ、世間一般の常識では考えられないスピードで成長し、最終的に望んでいた「結果」を手にする。いわゆる「逆転合格」を成し遂げる受験生に共通していたのは、このような学習スタイルを築けていることだった。

 難しいのは、「落ちこぼれ」や「はぐれもの」になると、その状況を変えたいと思うあまりに、わかりやすい「結果」を求めがちになってしまうことだ。でも、僕の経験上、そのような考え方のままでは、うまくいくことは少ない。